奨学金の減額返還と返還期限猶予
奨学金の返済が生活を圧迫している。そう感じたとき、いちばん避けたいのは「何もせずに延滞してしまう」ことです。日本学生支援機構(JASSO)の貸与奨学金には、苦しいときに使える正式な制度が用意されています。
使える制度は大きく2つ
1. 減額返還制度
月々の返還額を減らし、そのぶん返還期間を延ばす制度です。毎月の負担は軽くなりますが、返す総額が減るわけではありません。減額の割合は複数の中から選べるようになっており、一定期間ごとに願い出て続けていく形です。「収入はあるが今の月額が重い」という人に向いています。
2. 返還期限猶予
返還そのものを一定期間ストップする制度です。失業、病気やけが、災害、収入が少ないなどの事情があるときに使えます。猶予されている間は延滞になりません。ただし猶予できる期間には事由によって上限があり、返す義務がなくなるわけでもありません。「今は返せる状況にない」という人に向いています。
どちらも収入などの基準がある
減額返還も返還期限猶予も、誰でも使えるわけではなく、収入や事情についての基準があります。基準の金額や必要書類は制度の見直しで変わることがあるため、最新の条件は JASSO のウェブサイトか奨学金相談センターで確認するのが確実です。
申請の大まかな流れ
- 1. 自分がどちらの制度に合うか整理する:収入の状況と、減額なら返せるのか、いったん止める必要があるのかを考えます。
- 2. 必要書類をそろえる:所得を証明する書類(所得証明書など)や、事情に応じた証明書類が必要です。
- 3. 願い出る:JASSO のインターネット手続きまたは郵送で申請します。
- 4. 継続の手続きを忘れない:承認には期間があり、続けるには改めて願い出が必要です。
延滞する前に動くことがいちばん大事
延滞してしまうと、延滞金が付くほか、督促が進み、長引くと信用情報機関への登録や法的な手続きに進むことがあります。一方、減額返還や猶予は「延滞する前」に使ってこそ生きる制度です。口座の残高が足りなくなりそうだと気づいた時点で、引き落とし日を待たずに相談・申請に動きましょう。すでに延滞がある場合でも相談はできるので、放置だけは避けてください。
あわせて知っておきたいこと
- 繰上返還:逆に余裕があるときは、一部または全部を前倒しで返すこともできます。
- 本人が働けなくなったとき:重い障害や死亡の場合に返還が免除される制度があります。
- 保証人への影響:人的保証の場合、延滞が続くと連帯保証人・保証人に請求が及ぶことがあります。
自分が使えそうか手元で確かめるには
当社のアプリ「奨学金返還ナビ」は、収入や状況を入力すると減額返還・猶予のどちらが向いていそうかの目安を確認でき、手続きの流れも順番にたどれる iPhone アプリです。入力した内容は端末の中だけに保存されます。
このページは一般的な情報の解説です。制度の条件や必要書類は変わることがあります。最新の情報は必ず日本学生支援機構(JASSO)の公式サイト・窓口でご確認ください。