民法の改正により、離婚したあとも父と母の両方を子どもの親権者とする「共同親権」を選べるようになりました。これまでの単独親権と何がちがうのか、どうやって決まるのか、基本を整理します。

何が変わったのか

これまで日本では、離婚するときは父か母のどちらか一方だけを親権者にする「単独親権」しか選べませんでした。民法の改正により、離婚後も父母の双方を親権者とする「共同親権」を選択できるようになりました。単独親権がなくなったわけではなく、共同親権と単独親権のどちらかを選ぶ形になります。

親権とは何か

親権は、子どもの世話や教育をする責任と、子どもの財産を管理し、進学・医療・引っ越しといった重要なことを決める立場のことです。「子どもと会えるかどうか」(面会交流)とは別の話で、単独親権になった場合でも、親権を持たない親と子どもの面会交流は取り決めができます。

どうやって決まるのか

まずは父母の話し合い

離婚のときに、共同親権にするか、どちらかの単独親権にするかを父母で話し合って決めます。

合意できなければ家庭裁判所

話し合いで決まらない場合は、家庭裁判所が子どもの利益の観点から判断します。

DV・虐待のおそれがある場合

相手からの暴力や、子どもへの虐待のおそれがあるなど、共同親権が子どもの利益を害すると認められる場合には、裁判所は単独親権としなければならないとされています。安全に関わる事情がある場合は、一人で抱えずに、配偶者暴力相談支援センターや弁護士など専門の窓口に相談してください。

共同親権でも、すべてを二人で決めるわけではない

共同親権と聞くと「毎回相手の同意が必要になるのでは」と不安になりますが、制度上は場面によって扱いが分かれます。

  • 日常的なこと:食事、習いごと、日々の世話といった日常の行為は、子どもと一緒にいる親が一人で決められます。
  • 急ぎのこと:緊急の手術など、急迫の事情があるときは一方の親だけで決められます。
  • 重要なこと:それ以外の重要な事柄(進学先や長期の医療方針など)は、共同で決めるのが原則です。

どこまでが「日常」でどこからが「重要」かは、今後の運用で積み重なっていく部分もあります。迷う場面が多そうな事柄(学校行事、予防接種、旅行など)は、離婚時にあらかじめ二人のルールとして書面に残しておくと、後のもめごとを減らせます。

離婚時に決めておきたいこと

  • 親権のかたち(共同か単独か)
  • 子どもが主にどちらと暮らすか(監護のあり方)
  • 面会交流の頻度・方法・受け渡しのルール
  • 養育費の金額・支払い方法・期間
  • 重要事項の決め方と、連絡の取り方(連絡ツール、返事の期限など)

口約束ではなく、公正証書などの書面にしておくことが、子どもにとってもお互いにとっても安心につながります。取り決めに迷うときは、家庭裁判所の調停や、自治体の相談窓口、弁護士を頼ることができます。

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このページは一般的な情報の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。制度の詳細や自分の場合の扱いは、法務省の案内や弁護士・家庭裁判所の窓口でご確認ください。